車が国の定めた基準に適合しているかどうかをチェックする車検。決して安くない金額がかかりますが、相場はどの程度なのでしょうか。
「できれば金額を抑えたい」という人もいますが、抑えた場合にはデメリットなどがあるのでしょうか。
今回は、車検費用の目安と業者を選ぶポイントについてまとめてみました。
書いてあること
車検にかかる費用は車のタイプと利用する業者によって異なる
車検費用は、検査をする車のタイプと業者によって差が出ます。
車検にかかる費用は主に「法定費用」「車検基本費用」の2つがありますが、法律により定められた「法定費用」に関しては、どこで車検を受けても基本的には変わりません。
一方、「車検基本費用」は利用する業者によって金額が変わります。車検費用の違いを生んでいるのは、主に車検基本費用というわけです。
重量別の車検費用相場
前述の通り、法定費用はどのお店でも一律の料金なので、自家用車の重量が分かればおよその費用相場が把握できます。
なお法定費用には、自動車重量税・自賠責保険料・印紙、証紙代金の3つが含まれており、自動車の重量によって金額が変わるため、以下の表で確認しておきましょう。
【重量別法定費用一覧の条件】
- 2年自家用車(継続検査)
- 新車登録から13年未満(エコカー減税は対象外)
軽自動車 | ~500kg | 500kg~1t | 1t~1.5t | 1.5t~2t | 2t~2.5t | |
自動車重量税※1 | 6,600円 | 8,200円 | 16,400円 | 24,600円 | 32,800円 | 41,000円 |
自賠責保険料※2 | 17,540円 | 17,650円 | 17,650円 | 17,650円 | 17,650円 | 17,650円 |
印紙・証紙代金(持込検査の場合、OSS申請を除く)※3 | 2,200円 | 2,300円 | 2,300円 | 2,300円 | 2,300円 | 2,300円 |
合計 | 26,340円 | 28,150円 | 36,350円 | 44,550円 | 52,750円 | 60,950円 |
※1 参考:国土交通省.「自動車重量税額について」.♦ フローチャート・税額表.https://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_fr1_000076.html ,(2024-10-23).
※2 参考:国土交通省.「自賠責保険・共済に加入するには」.https://www.mlit.go.jp/jidosha/jibaiseki/about/policyholder/index.html ,(2024-10-23).
※3 参考国土交通省.「令和5年1月1日以降の自動車検査手続きに関する手数料一覧」.https://wwwtb.mlit.go.jp/hokkaido/content/000276451.pdf ,(2024-10-23).
どこで車検を受けても同じ金額になる「法定費用」の金額
ここでは法定費用に含まれる「自動車重量税」「自賠責保険料」「印紙・証紙代金」の3項目について、て詳しく見ていきましょう。
自動車重量税(24ヵ月)は自家用乗用自動車の場合は重量で異なる
自動車重量税は自家用乗用自動車と軽自動車の2つに大別できます。
軽自動車は重量に関わらず24ヵ月で一律6,600円となっていますが、自家用乗用自動車の場合は以下のように分けられています。
~500kg | 500kg~1t | 1t~1.5t | 1.5t~2t | 2t~2.5t | |
自動車重量税※ | 8,200円 | 16,400円 | 24,600円 | 32,800円 | 41,000円 |
※参考:国土交通省.「自動車重量税額について」.♦ フローチャート・税額表.https://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_fr1_000076.html ,(2024-10-23).
自賠責保険料(24ヵ月)は自家用乗用自動車で17,650円
自賠責保険料は12~60カ月までまとめて納めることが可能です。ここでは2年分の保険料をご紹介します。
軽自動車 | ~500kg | 500kg~1t | 1t~1.5t | 1.5t~2t | 2t~2.5t | |
自賠責保険料※ | 17,540円 | 17,650円 | 17,650円 | 17,650円 | 17,650円 | 17,650円 |
※参考:国土交通省.「自賠責保険・共済に加入するには」.https://www.mlit.go.jp/jidosha/jibaiseki/about/policyholder/index.html ,(2024-10-23).
印紙・証紙代金は普通自動車で1,800円
印紙・証紙は、自動車検査票と重量税納付書に貼り付けるものです。軽自動車は2,200円、自家用乗用自動車は2,300円かかります。
法定費用は以上です。
つまり、自動車の重量が500kgの場合、法定費用だけで最低3万円近くかかることになります。
業者によって異なる「車検基本費用」の相場
法定費用に対して、業者によって違いが出る「車検基本費用」の相場はどの程度になるのでしょうか?
車検基本費用には、「定期点検料」「測定検査料」「代行手数料」が含まれています。主要な検査業者ごとの金額を以下にまとめてみました。
検査業者 | 車検基本費用の相場 |
---|---|
ディーラー | 約4万~10万円 |
車検専門フランチャイズ | 約2万5,000~8万円 |
民間整備工場 | 約2万~8万円 |
ガソリンスタンド | 約2万~6万円 |
カー用品店 | 約2万~6万円 |
以下では、検査業者ごとの特徴を紹介します。
ディーラー
ディーラーの場合は、自動車を購入したところで車検を受けます。整備料金は若干高いですが、整備保証が付く上に発売している車に関しては高い専門性を持っており、部品供給もあるため安心して任せられます。
車検専門フランチャイズ
車検専門フランチャイズは車検を通すことに特化しているプロのため、素早く安価に済ませられます。ただし、検査項目以外の整備は基本的に行っていません。
民間整備工場
民間の整備工場は、価格が安くて利用しやすいのがメリットです。良い関係を築けていれば、いろいろと優遇してくれることもあるかもしれません。ただし、工場によってサービスの品質にばらつきがある点には注意が必要です。
ガソリンスタンド
ガソリンスタンドは自前の検査設備を持っていないことが多く、提携先の工場などに車を持ち込んで検査を行います。そのため、検査期間が比較的長めとなります。料金は安めです。
カー用品店
料金は安く設定されていますが、ガソリンスタンドと同じで、基本的には提携先の工場に持ち込んで検査をするため、検査期間が長くなります。
この他にも、業者に頼まずにユーザー自身が行うユーザー車検というものもあります。ユーザー車検を代行してくれる業者もありますが、検査は最低限となっています。
車のタイプによっても異なりますが、自家用乗用自動車(重量500kg)の場合、法定費用と合わせると車検費用は最低でも5万円以上、高ければ十数万円となる計算です。お手持ちの車の車種や重量によっては、さらに高くなる場合もあります。
車検を受ける際の業者の選び方
上記のとおり、利用する業者によって、車検費用には何万円もの差がつきます。ですが、費用だけで業者を選んでも問題ないのでしょうか?
以下では、車検を受ける際の業者を選ぶ際のポイントをお伝えします。
整備費用が安いと整備・サービス内容が十分でない可能性がある
整備費用が安い業者は、基本的には整備内容が少なめです。
確かに整備の費用は重要な要素ですが、安さを追い求めるあまり整備やサービス内容が充実していない業者を選んでしまうと、あとで故障や不具合が発生して、結果的に高くつく可能性も否定できません。一概に整備費用が安い方がよいとはいえないことを覚えておきましょう。
指定工場・認定工場・外車の車検など費用以外にみておくべきこと
業者選びには、料金相場以外にもいくつか注意が必要です。
たとえば、検査業者には「指定工場」と「認定工場」の2種類がありますが、この2つで印紙代(検査手数料)は異なります。
指定工場では印紙代1,100円がかかりますが、認定工場では小型自動車で印紙代400円と証紙代1,300円、それ以外で印紙代400円と証紙代1,400円がかかります。法定費用は基本的には同じですが、ここだけ異なるので注意してください。
そのほか、ガソリンスタンドなどでは台車を借りられないことがあるので注意が必要です。また、カー用品店などでは外車の車検を断られることがあります。外車の整備費用には部品の取り寄せなどが必要となり、国産車より高めになる場合が多くなります。
まとめ
車検費用の違いを生んでいるのは、「車検基本費用」で、業者のサービスと直結しています。
あまりに安く抑えようとするとサービスの質が落ち、後に故障などでお金がかかることもあるので注意が必要です。費用とサービスのバランスを考えて、業者を選びましょう。
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