原油も高騰していることから、車の燃費が気になる方も多いのではないでしょうか?
この記事では燃費をよくするためのポイントも含め詳しく解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
書いてあること
燃費がいいと経済的なだけでなくCo2排出量も抑えられる
ガソリンや軽油などの燃料1リットルあたりどのくらいの距離を走行できるか、を数値にしたものが燃費です。
燃費がよくなれば、二酸化炭素(Co2)排出量の低減になり、地球温暖化のスピードを少しずつ抑えることにもつながります。
自動車のCMなどでも「低燃費」やデータ上で計算した燃費の数値をうたっていますが、そもそも燃費の良し悪しはどのように決まるのでしょうか?
「燃費の良し悪し」基準は国土交通省が公表するデータとの比較
国土交通省は毎年、主に次のとおりに分類された車種別の重量と排気量別の燃費とCo2排出量データを公表しています。
- ガソリンMT車
- ガソリンAT車
- ガソリンCVT車
- ガソリンハイブリッド車
- ディーゼル車
特に「ガソリン乗用車車両重量別燃費(JC08モード)」の表では、2015年度と2020年度の基準値がライン状に書かれているので、そのラインよりも下か上かで国が定めた基準値をクリアしているかがわかります。
「JC08モード」は燃費の数値
JC08(ジェイシーゼロハチ)モードは、国土交通省が定めた方法で測定された燃費の数値です。
自動車のカタログやCMなど宣伝に使われているのはこのJC08モードの数値です。
実際の走行に近づけるために考案されたJC08モードですが、実際の燃費はこれよりも悪くなるケースがほとんどです。
その理由は、JC08モードの検査は実際の走行ではなく、「シャシーダイナモ」という装置の上で測定されるからです。
燃費を計算する方法とは?
最近の乗用車には実際の燃費を数値で表示してくれる機能(車載燃料計)が備わっていて、瞬間燃費や区間平均燃費などがわかるケースも多いですが、そのような機能がない場合は、以下の方法で燃費を計算できます。
満タン法
燃費を計算する際によく使われる方法は、満タン法です。簡単に計算できる上、精度も高いといわれています。
次の手順に従って計算しましょう。燃費の単位は、km/リットルです。
- 燃料を満タンにする
- トリップメーターをリセットする
- ある程度の距離を走行してから、再度満タンにする
- 2~3の走行距離と3で給油した燃料量をもとに「走行距離 ÷ 給油量」の計算式に当てはめる
例えば、トリップメーターをリセットしてから600km走り、再度給油する際に30リットルで満タンになったとしたら、以下のような計算になります。
600km ÷ 30リットル = 20km/リットル |
なお、自分で計算する場合はあくまでの概算であることを念頭に置いておきましょう。
給油ランプの点灯を目安に計算する方法
満タン法以外にも、給油ランプの点灯を目安に計算する方法もあります。
給油ランプが点灯した時点で給油し、次に点灯するまでの間の走行距離をもとに計算します。燃費の計算式は満タン法と同様に「走行距離 ÷ 給油量」です。
例えば、給油ランプが点灯した時点で50リットル給油し、次にランプが点灯するまでの間に700km走行したとしたら、以下のような計算式になります。
700km ÷ 50リットル = 14km/リットル |
ただし、給油ランプが点灯するタイミングは外的要因に左右されるため、必ずしも一定の条件で算出できるとは限りません。そのため満タン法に比べるとやや精度が下がる傾向にあります。
月単位で計算する方法
1カ月分の給油量と走行距離を照らし合わせて、燃費を計算する方法も有効です。1カ月間、給油量が記載された伝票を保管しておき、最終日に合算します。走行距離はトリップメーターで確認し、他の方法と同じく「走行距離 ÷ 給油量」で算出します。
この方法を行うには、伝票を全てそろえる必要があることに加え、1カ月の間にガソリンを全て使い切らなければなりません。伝票を取っておくのが面倒な方や、ガソリンを1カ月で使い切れない方は、別の方法で計算しましょう。
アプリを使って計算する方法
最後に紹介するのは、スマートフォンのアプリを使った計算方法です。アプリによって使える機能は異なりますが、基本的には給油情報の記録や燃費の計算、平均値の算出、管理などが簡単にできます。
中には、給油した際のレシートを撮影するだけで記帳できる機能や、走行距離を自動で記録できる機能が付いた便利なアプリもあります。
グラフにして燃費を確認できる機能もあるので、どの月にどのくらいの燃費だったのかを振り返るのにも役立つでしょう。
燃費を左右する主な要素は9つ
- 車の性能
- 使用する燃料の種類
- 車のメンテンナンスの度合い(タイヤの空気圧・エンジンオイルなど)
- 車の積載重量(乗車人数・荷物など)
- エアコンの使用状況
- 温度・湿度など気象条件
- 走行パターン(渋滞、信号の数など)
- ドライバーの加減速度合い
- 車の使用パターン(送り迎えや近所に買い物だけ・遠距離運転が多い、など)
全く同じ車種でもこのような使用環境は1台ごとに違うため、実際の燃費に大きく差が出るケースもあります。
燃費向上技術も年々改良されている
10年近く前の車と最新の車では燃費がすごく違います。
これは、燃費向上技術が日々改良されているからです。
その中でも有名なのが、ハイブリッド自動車とアイドリングストップ装置です。
ハイブリッド自動車は、エンジン動力と電気モーターなど2つ以上の動力が組み合わさって駆動する自動車のことです。
エンジン以外の動力がサポートすることでガソリンの消費やCo2排出量を抑え、燃費をよくします。
アイドリングストップ装置は、走行中に信号などで停止した際エンジンのアイドリングが自動的にストップし、発信する際にエンジンが再機動するものです。
オートマチック車はブレーキペダルを外す時、もしくはアイドリングストップが作動してある程度の時間が経過した時にエンジンが再機動されます。
マニュアル車では、クラッチペダルを踏むことで再起動されます。
アイドリングストップが作動している間の燃料消費が抑えられることで、燃費がよくなります。
アイドリングストップ装置が装備されている車の注意点
アイドリングストップ装置がついていても、作動しないケースもあります。
主に次のようなケースです。
- カーエアコンがフル回転している(冷房・暖房ともに)
- 渋滞や駐車場の入庫待ちなどこまめに停車している
- 前回のアイドリングストップから時間がたっていない
- アイドリングストップを作動オフにしている
- バッテリーの機能低下
装置が作動しなければ燃費も悪化してしまうので、注意が必要です。
燃費を抑える努力も大切!
ハイブリッドやアイドリングストップなど、燃費向上の技術もよくなり燃費のいい車が増えています。
しかし、メンテナンス不足や運転の仕方などで燃費を悪くしてしまっているケースもあります。
C02排出量を低減するだけでなく、高騰が続くガソリン代の節約のためにも、燃費を抑える努力をドライバー各自も心がけることが必要です。
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