連休シーズンになると利用者が増えるレンタカーですが、不慣れな車や道を運転することで一瞬ヒヤッとした経験がある人も多いのではないでしょうか。
では、実際にレンタカーの事故が起きる割合はどの程度なのでしょうか。
こちらではレンタカーによる事故が起きる割合と、事故時の対処方法について詳しく解説します。
書いてあること
レンタカーによる交通事故は全体の1%!
内閣府が発表した「平成28年度 交通事故の状況及び交通安全施策の現状」によると、平成28年度内の全国における交通事故の発生件数は499″201件という統計結果が出ています。
内閣府:平成28年度 交通事故の状況及び交通安全施策の現況-第2節 平成28年中の道路交通事故の状況 http://www8.cao.go.jp/koutu/taisaku/h29kou_haku/zenbun/genkyo/h1/h1b1s1_2.html
これに対し、国交省の報道発表資料「訪日外国人観光客レンタカーピンポイント事故対策について」では、同じく平成28年度内におけるレンタカー全体の事故件数は全国で6150件という統計結果が出ていました。
国土交通省:平成29年8月23日 道路局企画課 訪日外国人観光客レンタカーピンポイント事故対策について
http://www.mlit.go.jp/common/001198228.pdf
これら2つの統計結果をもとに計算すると、6150/499201=約0.01であり、全国の交通事故全体の中でレンタカーによる交通事故の割合は約1%ということになります。
交通事故100件のうち約1件がレンタカーによる交通事故という計算ですね。
1日あたり約13件のレンタカーが事故を起こしている
実際には月やシーズンによって異なることが想定されますが、先ほどのデータをもとに計算すると、1日あたり全国で約1367件の交通事故が起きている計算になります。
その中で全体の約1%がレンタカーの割合なので、1日あたり交通事故を起こしているレンタカーは約13件。
24時間中約13件なので、全国のどこかでレンタカーによる交通事故が2時間に約1件のペースで起きているということになりますね。
事故を起こしてしまった時に安心なのが「保険(補償)」です。
加入しているのと加入していないのでは、出費が異なります。
気になる人は下記記事もどうぞ!
レンタカー事故が起きやすい時間帯は12時から14時
12時から14時はレンタカーによる交通事故が起きやすい時間帯であり、駐車場内における近隣物への接触といった物損事故が多いとされています。
レンタカー利用者は観光・旅行目的として旅の出発地点から車をレンタルして目標地点まで運転するというケースが一般的ですが、朝から長時間運転しているドライバーは疲労に加え、空腹感も相まって注意力が散漫です。
注意力低下による交通事故を防止するために、長時間運転が予想される旅路では少なくとも2時間から3時間の間隔で適度な休憩を設けましょう。
昼食後すぐに運転を再開するのは禁物。
食後は満腹感によって眠気が誘発され注意力が落ちてしまう傾向があります。
食後は一定時間休んだ上で軽くストレッチなどを行い、頭を活性化させてから運転を再開してください。
注意力が低下してきたサインを見逃さない
あくびや眠気、速度メーター・ミラーを目視する頻度が運転開始当初より少なくなってきたと感じたら要注意。
これらは疲労によって注意力が低下しているサインです。仮眠や十分な休憩を取りましょう。
特に家族や友人といった複数名を乗せて運転している場合、ドライバーはその命を握っているという自覚を持ち、安全運転を心掛けるためにサインを見逃してはいけません。
サインが現れなかったとしても、4時間超の長時間運転は避けるべきです。
厚労省ではトラック・バスなどのドライバーに対して「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」を設けており、原則的に4時間の運転に対して30分(分割も可)の休憩を取るように定めています。
厚生労働省:自動車運転者の労働時間等の改善の基準
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/gyosyu/roudoujouken05/index.html
日頃から物や人を乗せて運転している、いわば「プロドライバー」ですら4時間を越す運転は禁じられているので、一般ドライバーはそれ以上に気をつけなければなりませんよね。
視認性が悪化する日没前後にも要注意!
日没後はおおよそ全ての車がライトを付けて走行しますが、ぼんやり明るい夕刻前後はライトを付けた車の数はまちまち。
交通状況によっては視認性が悪く、12~14時頃と同じく事故が多い時間帯と言われています。
警察庁の「薄暮時間帯における交通事故防止」に記載されているH24年~H28年における死亡事故発生状況の分析によると、日没前後の時間帯である17時台から20時台の間が1日の中で最も死亡事故発生件数が多いという結果でした。
警視庁:薄暮時間帯における交通事故防止
https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/anzen/hakubo.html
レンタカー事故は経験不足と油断によって起きる
時間帯以外で気をつけるべきポイントは、レンタカーを借りて最初に運転する時の経験不足、そして運転に慣れた後の油断です。
運転に慣れている車種を借りたケースであれば事故の発生リスクは低いですが、初めて運転する車種をレンタルした場合は操作性や車幅感覚の不慣れによって事故を起こす可能性が高いでしょう。
レンタカーを借りて間もない頃は「借りている車」という意識が強い点に加え、不慣れな車種を運転することも予想できるので、多くのドライバーは集中して注意しながら運転します。
しかし、数時間あるいはある程度の日数をかけて運転しているとドライバーは次第に慣れを感じ、集中力・注意力が落ちるので事故が起きやすい状態になります。
レンタカー運転中に事故を起こしてしまったときの流れ
全体の約1%という割合だと他人事のように捉えてしまうドライバーも多いかもしれません。
しかし、年間で6150件ものレンタカー事故が起きていることは事実です。
明日は我が身という意識を持ち、レンタカー運転中に事故を起こしてしまったときの流れについて確認しておきましょう。
事故による負傷者がいる場合は要救護
レンタカーであっても私用車であっても、まずは事故による負傷者の救護が最優先事項です。
自車が自走可能な状態であれば二次被害の発生を防ぐために安全な場所へ車を停め、救急車を呼び、可能な範囲で負傷者の救護活動を行います。
もちろん、自身が負傷していることも考えられますので、その場合は周囲の人達に助けを求めましょう。
軽微な事故でも示談で済まさず警察に通報する
一般的にレンタカーを借りるときは各種保険へ加入することになりますが、事故によっては保険が適用されるための条件として「交通事故証明書」の提示を保険会社から求められるケースがあります。
したがって、どんなに軽い事故であっても警察に通報して「交通事故証明書」を受け取るべきです。
例えば、コンビニなどの駐車場内で近くに停まっている車に接触。
幸い負傷者もいないため警察へ通報せず、相手のドライバーと示談解決して警察から交通事故証明書を受け取っていないケースはどうなるでしょう。
もし保険の適用条件が「交通事故証明書」の提出だった場合には、結果的に事故が起きたことを証明できず、保険が適用されない形で多額の修理費用を請求される可能性があります。
そのため、どんなに軽い事故であったとしても警察に通報し、後の手続きに備えて必ず交通事故証明書を受け取りましょう。
保険会社とレンタカー店に連絡
万が一レンタカーで事故を起こしてしまったら、車を借りたときに加入した保険会社とレンタカー店、それぞれに事故が起きた旨を連絡しましょう。
そして、保険の手続きや今後の対処方法について詳しい説明を受けてください。
レンタカーを借りるときは担当者から「事故の際はこちら(保険会社)に連絡してください」という説明を受けるかもしれません。
ただし、実際に事故が起きてしまった場合は、保険会社に限らずレンタカー店にも事故が起きた旨を連絡しましょう。
万全な事故対応が用意されたレンタカー店を利用
交通事故はいつ、どこで起きるか分かりません。
レンタカーを利用するときは各種保険の加入はもちろん、24時間事故対応などのサービスが用意されているお店を利用することをおすすめします。
また、不慣れな車種を借りると予期せぬ事故を起こしてしまうこともあるので、できるだけ自身が運転慣れしている車種を借りるのがベストです。
まとめ
軽微な事故で保険に入っていたとしても、旅行や観光の道中でレンタカー事故を起こしてしまったら、出先での楽しい思い出が色褪せてしまいます。
レンタカーによる事故を起こさないために、車種はできるだけ運転に慣れているものを選び、長時間運転の際は適度な休憩を取り、返却時まで常に安全運転を意識しながら楽しい思い出を作りましょう。
6時間2,000円から利用可能