カーバッテリーはエンジンを始動させたり、ライトやエアコンなどの電装品に電気を供給したりする機器です。
バッテリーが寿命を迎えるとさまざまな症状が出ます。
今回はバッテリーを交換するタイミングや寿命、交換方法、バッテリーを長持ちさせる方法を紹介します。
書いてあること
車のバッテリーの寿命はいつ?
バッテリーの寿命は車の種類によって違い、おおよその目安は以下のようになっています。
- 一般車:2~5年
- アイドリングストップ車:2~3年
- ハイブリッド車:4~5年
上記はあくまでも目安です!車を走らせる環境や頻度、さらに車内の電子機器の使用状態によって、バッテリーの寿命は変わってきます。
一般的に温暖な地域より寒冷地の方がバッテリーの消耗が早く、特に問題のないバッテリーでも寒冷地を走っていると性能が低下することがあるので、注意が必要です。
「ハイブリッド車以外は2年を超えたらいつ寿命がきてもおかしくない」と考え、定期的にチェックを行いましょう。
また、電飾など車を電子機器で飾り立てている場合はどうしてもバッテリーの寿命は短めになります。
車のバッテリー交換時期のサインは5種類
車のバッテリーはいきなり寿命を迎える例は少なく、寿命が近くなるとさまざまなサインを出します。
ここでは車のバッテリー交換の目安になる症状の代表例を紹介します。
エンジンがかかりにくくないか
バッテリーの役割の一つにエンジンの駆動があります。バッテリーが消耗して寿命が近づいてくると、エンジンをかける力が弱まっていきます。
寒い朝などもエンジンがかかりにくくなるケースがありますが、これは寒さでバッテリーの性能が落ちているためです。
冬でもないのに、エンジンが以前と比べて明らかにかかりにくくなった場合は、バッテリーの寿命が近づいていると考えましょう。
電圧が落ちていないか
自動車のバッテリーは気温20℃の満充電状態で12.72Vになるように設定されています。バッテリーは車の走行中に常に充電されているので、多少電圧は前後します。
しかし、電圧が落ちている場合は寿命の可能性があるため注意が必要です。
自動車のバッテリーはテスターで測ることができます。テスターはホームセンターや通販で1,000円前後くらいで販売しているので、必要ならば購入しましょう。
バッテリーを測る際は、エンジン停止から30分以上経ってからにしましょう。停止直後の状態でテスターを使用しても、正確な電圧が測れません。
バッテリー液に問題はないか
バッテリー液は定期的に補充が必要です。バッテリー液を補充しているのにすぐになくなったり、極板周辺の汚れが目立ったりする場合は、バッテリーの寿命が近いサインでもあります。
またバッテリー液の消耗が異常に激しい場合は、液漏れしている可能性もあるので、すぐに点検が必要です。
ヘッドライトが暗くないか
バッテリーの寿命が近くなるとヘッドライトが暗くなることがあります。
ヘッドライトが暗くなると夜間に走行しにくくなるのはもちろんのこと、歩行者に気付きにくくなり、事故の原因になってとても危険です。
ヘッドライトが暗いと思ったら、できるだけ早くガソリンスタンドやカー用品店でバッテリーの点検をしてもらいましょう。なおヘッドライトが異常を起こしている可能性もあります。
アイドリングストップ機能を使用できるか
アイドリングストップはブレーキを踏んで車を停止させると、自動的にエンジンがストップする機能です。
アイドリングストップ中にアクセルを踏めば、そのまま車が動き出します。
アイドリングストップはバッテリーの電気量が十分にないと作動しません。
「いつもはアイドリングストップができていたのに、最近は作動しない」という場合は、バッテリーが消耗している可能性が高いので早めに点検・交換するようにしましょう。
バッテリー交換の流れ
バッテリーの交換は車のメンテナンスのなかではそれほど難しくありません。
自分で交換することもできます。ここではバッテリー交換の手順を、業者に依頼する場合と自分で行う場合の2つの方法で解説します。
業者に依頼する場合
バッテリー交換を業者に依頼する場合、まずは依頼する業者を決めましょう。
バッテリー交換を行ってくれる業者には、カー用品店・ガソリンスタンド・整備工場などがあります。
バッテリー交換の時間や費用は、業者によって異なるのでホームページでまずは確認しましょう。
ただしこれらは一般車の場合で、ハイブリッド車や電気自動車の場合はもう少し値段も上がり時間もかかることがあるでしょう。
また工賃に加えてバッテリーの購入費用がかかります。
バッテリーの購入とバッテリーの交換をセットで利用すると交換工賃は無料という店舗もあるので、比較してみてもいいでしょう。
またバッテリーの廃棄費用が工賃に含まれている場合と、含まれない場合があります。
店舗に着いたら、店員の指示に従って車を所定の位置まで動かしておきましょう。その後はスタッフが行ってくれます。支払いは店舗によっては現金の他、カードや電子マネーが使えます。
自分で交換する場合
自分でバッテリー交換をする場合は、以下の手順で行います。ただし、一般車でも器具の使い方を間違えると車の故障の原因となるので、自分の手に負えないと思ったら、業者やロードサービスに連絡しましょう。早ければ数十分で対処してくれます。
事前の準備
- バッテリー交換する手順を説明書で確かめておき、スパナなどの必要な工具を揃える
- 車種にあうバッテリーを購入する
交換時の手順
- 車のエンジンを切ってから30分以上経ってから作業を始める
- バッテリーカバーを外し、市販の電源でメモリーバックアップを行う
- バッテリーの固定具をスパナなどで抜き取る
- バッテリー端子を必ずマイナス側から外す(プラス側から外すとショートする可能性がある)
- バッテリー本体を外す
- バッテリーの端子を今度はプラスから取り付ける
- バッテリーの固定具を取り付け、カバーを元に戻す
なおバッテリー液が手についたり、目に入ったりすると危険です。
必ず手袋やゴーグルを付けて作業を行いましょう。また取り外したバッテリーは、家庭ゴミとして自治体に処分を依頼することはできません。
ゴミの集積場に捨てず、ガソリンスタンドやカー用品店などに持っていって処分してもらいましょう。処分には一定の費用がかかります。
なおバッテリー交換は慣れれば30分ほどで終りますが、工具などを一から揃えるよりは、カー用品店などに交換を依頼した方が安いこともあります。
バッテリーを長持ちさせる車の乗り方
バッテリーは消耗品ですが、車の乗り方次第で長持ちさせることができます。ここではバッテリーを長持ちさせる車の乗り方を紹介します。
ぜひ参考にしてください。
定期的に車を運転する
車を長い間運転しないと自然放電によってバッテリーが上がりやすくなります。またバッテリーは運転中に自動的に充電されるので、定期的に車を運転することが大切です。
長期間車を運転しない場合は、再び車を運転する際はバッテリーの様子をよく確認しておきましょう。
エンジンの停止中にライト・スイッチの使用を避ける
エンジンを停止しているときに、ライト・スイッチをはじめとする電飾品を使うとバッテリーが上がりやすくなります。
エンジンを切っているときはできるだけライト・スイッチやエアコンなどの使用を控えましょう。
また車を離れる際は、ヘッドライトやルームライトの切り忘れがないか確認しましょう。
電気消費が激しいアクセサリーの使用を避ける
近年はあおり運転などの対策にドライブレコーダーを車に搭載する人が増えていますが、バッテリーから電源を賄うタイプのドライブレコーダーは、バッテリーの消耗を早めてしまうケースがあります。
バッテリーの負担を抑えるためには、電圧低下を検知してバッテリーからの電源供給をストップするシステムを持つドライブレコーダーや、バッテリー以外から電力を供給できるドライブレコーダーを利用するのがおすすめです。
また、LEDライトなどで車内のライトをカスタムしても、バッテリーの消耗が激しくなります。
車内をカスタムする場合はバッテリーのことも考えて行いましょう。
気温に気を付ける
極端に気温が低くなると低温でバッテリーの性能が落ちます。
寒冷地を走る車は寒冷地仕様になっていますが、寒冷地に行く場合は気温を確認していきましょう。
特に問題ないバッテリーでも極端に低い気温のところでは、性能が低下してバッテリー上がりを起こすことがあります。
夜間の運転を避ける
ヘッドライト・バックライトもバッテリーを電源としています。
夜間の運転が長くなるほどバッテリーの寿命は短くなるでしょう。バッテリーを長持ちさせたいのなら、できるだけ夜間の運転を避けて昼間に運転しましょう。
バッテリーの最適なメンテナンス方法
最後にバッテリーのメンテナンス方法を紹介します。
最近ではメンテナンス不要のバッテリーも発売されていますが、やはり定期的にメンテナンスをした方が、バッテリーは長持ちする傾向があります。
定期的に点検・補水する
バッテリーは定期的に点検してバッテリー液を補水しましょう。バッテリーの点検はカー用品店やガソリンスタンドで行っています。
また給油のときに点検してもらう方法もあります。
基本的に有料のサービスですが、店舗によっては会員になれば定期点検は無料というところもあります。行きつけの店舗がある場合は会員になっておくのもおすすめです。
バッテリー本体の日常点検のポイント
バッテリー本体を日常点検する際は、以下のポイントを押さえておきましょう。
- バッテリー液が適量入っているか
- メンテナンスフリーバッテリーの場合は、インジケーターに異常がないか
- 本体にひび割れ、膨れ、液漏れがないか
- 本体のターミナル端子や取り付け部が緩んでいないか
バッテリー液には電解液が含まれており、自然に蒸発するので使っているうちに減っていきます。バッテリー液が適量入っているかどうかは、バッテリー本体に付いている線を確認しましょう。最大値を表すUPPER LEVELと、最小値を表すLOWER LEVELの間に液が入っていれば、適量です。
メンテナンスフリーバッテリーの場合は液量を目視で確認できないため、インジケーターを確認します。インジケーターのサインが何を表すのかはバッテリーのメーカーにより異なるため、取扱説明書を確認しましょう。
またバッテリー本体がひび割れていたり、膨らんでいたりする場合は、寿命が来ているサインです。本体に付いているターミナル端子や取り付け部の緩み、粉ふき、汚れ、液漏れなども劣化している証なので、点検・交換を検討しましょう。
たとえ異常が見られない場合でも、購入から何年もたっている場合は、専門家による点検を受けることをおすすめします。
バッテリー上がりの原因を避ける
バッテリーが上がってしまうと、一気に消耗します。
バッテリー上がりはバッテリーのなかに蓄積している電力が、使用する電力を下回ったときに発生する症状です。
長時間エンジンをかけずにライトやエアコンなどを使いっぱなしにしている場合や、過放電が起ったときに発生します。
ひどい場合はエンジンがかからなくなるので、バッテリー上がりを招くような行為は可能な限り避けましょう。
まとめ
バッテリーは車に乗っていれば必ず劣化します。
バッテリーを交換して2年が過ぎたら、定期的にガソリンスタンドなどで点検を受け、必要であれば交換を行いましょう。車のバッテリーは自分でも交換できますし、業者に依頼してもそれほど費用はかかりません。
バッテリー上がりを招くような行為はできる限り避けてください。バッテリー液の補充も忘れずに行いましょう。
バッテリーの点検を定期的に行い、適宜交換しておけば、「出先で突然バッテリーが上がり、エンジンがかからなくなった」といったトラブルを防ぐことができます。
6時間2,000円から利用可能