日本では、電気自動車の普及がまだ追い付いていないこともあり、車の購入時はハイブリッド車かガソリン車のどちらを選ぶかがポイントとなっています。
そこで今回は、ハイブリッド車とはガソリン車の違いについて詳しく解説します。どちらのタイプのプ車にするべきか悩んでいる人は、こちらを参考にしてみましょう。
ハイブリッドとガソリン車の大きな違い
ハイブリッド車とは、文字通り複数の動力源を持つ車のことで、ガソリン車はガソリンが動力源の車のことです。
ちなみにハイブリッド車は主に、ガソリンで動くエンジンと電力で動くエンジンの2つが搭載されています。他にも以下のような違いがあるのが両者の特徴です。
比較項目 ハイブリッド車 ガソリン車
燃費 ガソリン車と比べると良い ハイブリッド車と比べると悪い
バッテリー交換費用 ガソリン車よりも高い ハイブリッド車よりも安い
部品の寿命 ガソリン車よりも長い ハイブリッド車よりも短い
車検場所 ディーラ―が利用しやすい 自動車整備工場でも可
車体購入価格 ガソリン車よりも高い ハイブリッド車よりも安い
車検費用 大きな違いは見られない
ガソリン代や燃費の良さだけで、本体購入価格の元は取れるのか?
上述したように、ハイブリッド車はガソリン車と比べて車体購入価格が高いのが特徴です。
その特徴から、よく「何km走るとハイブリッド車はガソリン車の差額分がカバーできるのか」と考える方が多く見受けられます。
例えば、カローラフィールダーという車種で考えた場合、1,500ccのガソリン車の車体購入価格は1,818,300円で燃費は約22.0km/Lです。
一方1,500ccのハイブリッド車の車体購入価格は2,281,400円で燃費は約32.2km/L。
ガソリン代が130円/Lと仮定したときし1kmあたりの燃費はガソリン車が約5.9円、ハイブリッド車が約4.0円になります。
それぞれの車体購入価格の差は463,100円です。
これを両者の燃費の差(1.9円)で割ると、約24万km走らないと、価格の差を埋めることができないことになります。
一般的に車の寿命とされている走行距離は100,000~150,000kmと言われていることからも、ガソリン代だけで損益分岐点を超える、つまり差額を埋めるのは難しいかもしれません。
平均燃費から比較してみる
株式会社イードから発表された『e燃費アワード2019-2020』によると、ハイブリッド車部門のJC08燃費ランキングと平均値は以下の通りとなっています。
車種名 JC08燃費
アクア 38.0km/L
プリウス 40.8 km/L
フィット (ハイブリッド) 34.0 km/L
カローラスポーツ(ハイブリッド) 34.2 km/L
ヴィッツ(ハイブリッド) 34.4 km/L
カローラフィールダー (ハイブリッド) 33.0 km/L
インサイト 31.4 km/L
カローラツーリング (ハイブリッド) 35.0 km/L
グレイス (ハイブリッド) 32.4 km/L
シャトル (ハイブリッド) 34.0 km/L
平均 34.72km/L
※平均値は、各値から計算し算出
一方、ガソリン車部門では以下のような結果が出ています。
車種名 JC08燃費
スイフト 24.0km/L
シャトル 21.8 km/L
up! 23.1 km/L
フィット 26.0 km/L
ヴィッツ 21.8 km/L
デミオ 24.6 km/L
ノート 26.8 km/L
カローラフィールダー 19.6 km/L
ゴルフ 21.0 km/L
ヴェゼル 21.2 km/L
平均 22.99km/L
※平均値は、各値から計算し算出
例えば、2つの平均燃費から10万km走るために必要なガソリン代(レギュラー130円と仮定)を考えたとき、以下のような価格になります。
【ハイブリッド車】
100,000÷34.72=2880.2
2880.2×130=374,426円
【ガソリン車】
100,000÷22.99=4349.7
4349.7×130=565,461円
ガソリン代だけを見ると、ハイブリッド車とガソリン車では191,035円もの差が出ることがわかります!
[注1][注2]株式会社イード
https://www.iid.co.jp/news/press/2020/031801.html
車種ごとに比較してみる
ハイブリッド車とガソリン車を車種ごとに比較したとき、どのようになるのでしょうか。
アクア
アクアはトヨタが開発したハイブリッドカーです。
燃費性能が世界トップクラスとも言われており、カタログ燃費はLグレードの場合38.0km/L、Lグレード以外の場合34.4km/Lを実現させています。この後紹介する車種のどの燃費性能よりも高いのが特徴です。
また、車種自体が非常に軽く小回りが効くことでも有名。日常者として活用するのに非常に便利といえるでしょう。
ガソリン車 ハイブリッド車
※Lグレードの場合
燃費 - 38.0 km/L
車両代 - 1,818,300円
ガソリン代(10万km) - 342,095円
合計 - 2,160,395円
※ガソリン代はレギュラーガソリン130円/Lで計算
ヴィッツ
ヴィッツはトヨタのコンパクトカーでもベーッシクな部類に入ります。燃費性能も他の車種と比べて良く、低燃費です。
アクアと同様、日常の買い物やお出かけに向いており使いやすい車といえるでしょう。
ガソリン車 ハイブリッド車
燃費 18.0~25.0km/L
実燃費平均
15.0~17.0km/L 34.4km/L
実燃費平均
22.0km/L
車両代 1,180,000~1,950,000円 1,810,000~2,320,000円
ガソリン代(10万km) 520,000~722,215円 377,910円
合計 1,700,000~2,672,215円 2,187,910~2,697,910円
※ガソリン代はレギュラーガソリン130円/Lで計算
ガソリンが130円/Lの場合、ガソリン車の1kmあたりにかかる料金は約7.2円、ハイブリッド車の料金は約3.8円となり、1kmあたり約3.4円安くなることが分かります。
フリード
ホンダのフリードは、ミニバンの中でも最小クラスのサイズといわれている車種にも関わらず、乗車人数は6~7人と多いのが特徴です。
また、床面が低いため子どもも高齢者も乗り降りがしやすい構造となっています。
ガソリン車 ハイブリッド車
燃費 14.7km/L 17.4km/L
車両代 2,121,600円 2,517,600円
ガソリン代(10万km) 884,351円 747,123円
合計 3,005,951円 3,264,723円
※ガソリン代はレギュラーガソリン130円/Lで計算
ガソリンが130円/Lの場合、ガソリン車の1kmあたりにかかる料金は約8.8円、ハイブリッド車の料金は約7.4円となり、1kmあたり約1.4円安くなることが分かります。
ステップワゴン
ステップワゴンも、フリード同じく低床設計が採用されたミニバンです。
低重心のボディによって走行における安定性も優れており、車体の大きなミニバンの中では運転をたのしめる車種といわれています。
ガソリン車 ハイブリッド車
燃費 2WD:13.6km/L
4WD:13.0km/L 2WD:20.0km/L
車両代 2,852,280円 3,350,160円
ガソリン代(10万km) 約855,260円 約520,000円
合計 3,707,540円 3,870,160円
※ガソリン代はレギュラーガソリン130円/Lで計算
ガソリンが130円/Lの場合、ガソリン車(4WD)の1kmあたりにかかる料金は約10円、ハイブリッド車の料金は約6.5円となり、1kmあたり約3.5円安くなることが分かります。
アルファード
トヨタのアルファードの特徴は、車内の広さと軽さ!
国内で生産されているミニバンの中でも制動距離が45mと短く安全性が高い車種でもあるのです。
さらにその知名度からも「アルファード=高級車」というイメージが強く、高級感が得られやすいとも言われています。
ガソリン車 ハイブリッド車
燃費 12.8km/L 19.4km/L
車両代 3,438,600円 4,508,900円
ガソリン代(10万km) 688,776円 394,737円
エコカー減税額 0円 約37,500円
合計 4,493,288円 5,167,276円
※ガソリン代はレギュラーガソリン130円/Lで計算
ガソリンが130円/Lの場合、ガソリン車の1kmあたりにかかる料金は約10.1円、ハイブリッド車の料金は約6.7円となり、1kmあたり約3.4円安くなることが分かります。
カローラ
1966年に誕生し、50年以上もの歴史があるホンダのカローラの特徴は、多くのボディタイプがりそれぞれで特徴が異なる点です。
そのため自身の好みにあったタイプの車が手に入れやすいと考えられています。
ガソリン車 ハイブリッド車
燃費 19.6km/L 34.2 km/L
車両代 2,169,200円 2,488,200円
ガソリン代(10万km) 688,776円 394,737円
エコカー減税額 0円 約22,500円
合計 2,857,976円 2,860,437円
※ガソリン代はレギュラーガソリン130円/Lで計算
ガソリンが130円/Lの場合、ガソリン車の1kmあたりにかかる料金は約6.6円、ハイブリッド車の料金は約3.8円となり、1kmあたり約2.4円安くなることが分かります。
まとめ
ここまでハイブリッド車とガソリン車をさまざまな視点から比較してきました。
一見、車体購入価格の差を埋めるのは難しいことから、ガソリン車の方がお得に思えるかもしれませんが、バッテリー以外の部品が長持ちする点やハイブリッド車の燃費の良さなどを加味すると、長い目で考えればハイブリッド車の方がお得に感じることが多いでしょう。
もしこれから車を買い替える場合は、各車種を長い目で見たときにどちらがお得に感じるかを基準に選んでみてください。
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