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レンタカー事業を手掛けよう!個人?フランチャイズ?法人設立?始める方法と準備方法

レンタカー事業を始めよう

レンタカー事業に興味があっても、どのような事柄から決めればよいか迷っている方も多いでしょう。

レンタカー事業にはさまざまな運営方法があります。また、事業の申請のためのハードルも低くない点に注意が必要です。

そこで今回は、レンタカー事業の始め方を解説します。

個人で事業を行うか法人設立するかの違いや、大手レンタカー会社のフランチャイズに加盟するメリット・デメリットも解説します。

レンタカー事業の申請フローや、必要書類も解説しているため、事業を始める方はぜひ参考にしてください。

「レンタカー事業」とは有償で自動車を貸し出す事業のこと

レンタカー事業とは、有償で自動車を貸し出す事業のことです。

正式名称では「自家用自動車有償貸渡業」と呼ばれます。

レンタカー事業はマーケットの大きな産業であり、日本人はもちろん、訪日外国人も利用しています。

一般社団法人全国レンタカー協会が発表した、平成27年度における訪日外国人の出国空港別レンタカーアクセスは、那覇空港で最多の294万755人と、空港利用者の28.3%がレンタカーを活用しています。

この傾向は2020年の東京オリンピック開催に合わせたインバウンド需要の高まりとともに増加していくことが予想されます。

[注1]一般社団法人全国レンタカー協会:訪日外国人向け レンタカーサービス向上アクションプラン
http://www.rentacar.or.jp/wp-content/uploads/2018/04/810902db8de8eed629451e01eb7a4b6a.pdf

レンタカーの利用目的は、国内旅行や日帰りレジャーなどが大半を占めていますが、自動車を持っていない層ではドライブや引っ越しのために利用する人もいます。

レンタカー事業が、多角的なニーズに支えられた産業であることがわかります。

レンタカー事業は車を仕入れてしまえば、後は貸し付けるたびに利益となるため、回転率を上げれば上げるほど成功につながる事業です。

中古車を仕入れ、ローリスクハイリターンを狙うビジネスモデルや、高級車を貸し付けて付加価値をつけるビジネスモデルが存在します。

ただし、どのような車でもレンタカー事業に使えるわけではありません。

道路運送法によって、レンタカー事業を営むには国土交通大臣に許可を得なければならないと定められているからです。

レンタカー業界の市場規模は成長を続けている

レンタカー業界の市場規模は拡大中

近年、レンタカー業界は成長を続けています。2012年から2015年までの調査では、国内のレンタカーの市場規模は年々増加し、2020年の市場規模は6,700億円に達すると予測されています。

[注2]株式会社矢野経済研究所:レンタカー&カーシェアリング市場に関する調査結果 2015
https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/1431

レンタカー業界が成長を続ける背景には、レジャーや国内旅行といった個人向けのニーズや、建設業などの法人向けのレンタカー利用が堅調であることに加え、インバウンドの推進によって訪日外国人が増加したことが挙げられます。

また、レンタカー事業やカーシェアリングも含めた「MaaS(Mobility-as-a-Service)」の推進も、レンタカー業界を後押ししています。

MaaSとは「サービスとしてのモビリティ」とも呼ばれ、移動手段をモノからサービスへ転換する潮流のことです。

具体的に言えば、自動車をはじめとした移動手段を個人で所有するのではなく、サービスを継ぎ目なく利用することで目的地に移動することを意味します。

国内のMaaSの市場規模は、2030年には6兆3,600億円に達し、飲食業界の市場規模を追い抜くと見込まれているため、MaaSの一角を担うレンタカー業界の将来についても大きく期待できます。

[注3]株式会社矢野経済研究所:国内MaaS市場に関する調査を実施(2018年)
https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/2092

このようにレンタカー業界の将来展望は明るく、起業を考えている方には大きなチャンスがあります。

レンタカー事業を始めるには法人設立?個人でもOK?

レンタカー事業は法人でも個人でもOKだが変更はできない

結論から言えば、レンタカー事業は個人事業主でも法人でも問題なく始めることができます。

ただし、国土交通省から「自家用自動車有償貸渡業」の認可を一度受けると、後から業務形態を変更できません。

たとえば、個人で国土交通省の認可を受けた後で法人化したい場合でも、国土交通省の認可を引き継ぐことはできません。

したがって、個人や法人でレンタカー事業を起業するメリットとデメリットを考慮し、適切な選択をすることが大切です。

個人でレンタカー事業を始める場合

税務署で開業届けを提出するだけでよいため、手続きが非常にスムーズです。

その場合、確定申告を青色申告で行うか、通常の白色申告で行うかを決め、届出もしておきましょう。

青色申告は承認が必要であり、白色申告よりも帳簿の作成に手間がかかりますが、さまざまな節税効果を期待できます。

たとえば、青色申告では最大65万円の税控除を受けられるため、レンタカー事業の導入の時点では重宝します。

レンタカー事業を法人として始める場合

公証役場での定款の認証や、法務局への設立登記といったさまざまな手続きが必要です。

また、近年では資本金1円で法人化するケースも増えていますが、法人設立には諸経費がかかる点も要注意です。

たとえば、定款認証や設立登記を自分で行わず、行政書士や司法書士、税理士といった専門家に依頼する場合は、20万円から30万円ほどの報酬が必要です。

また、設立登記をする際、登録免許税を納付する必要もあります。

しかし、法人としてレンタカー事業を始めると、個人事業主にはないメリットが得られます。

法人として登記し、実在する会社として事業を営むことには、個人事業主にはない社会的信用があります。

レンタル価格やサービス内容、レンタルできる車種が変わらない場合、個人経営のレンタカー事業と法人経営のレンタカー事業では、後者の方が顧客からの信用が得られやすくなります。

また、法人の方が金融機関の融資審査に通りやすく、融資額も大きくなる傾向にあるため、事業運営がしやすくなります。

事業運営という点では、法人であれば赤字の繰越期間が最大9年間と長く、法人税を節約できるのも大きなメリットです。

とくに開業初年度は設備投資などで赤字が出る場合がありますが、これを翌年度以降に繰り越して黒字と相殺することで、法人税を減額できます。

個人事業主でも赤字の繰越はできますが、法人と比べて3年間しか繰越期間がなく、個人の場合は確定申告が青色申告である必要があります。

フランチャイズに加盟するメリット・デメリットを解説

レンタカー事業の始め方として、大手レンタカー会社のフランチャイズに加盟するという方法もあります。

フランチャイズへの加盟には、大手レンタカーチェーンならではのメリットがある反面、費用面や事業の自由度などのデメリットもあります。

メリット・デメリットの両方を理解することが重要です。

フランチャイズに加盟するメリット

フランチャイズ運営の最大のメリットは、大手レンタカーチェーンのノウハウを事業に活かせる点です。

顧客の獲得から、車両の調達や維持管理、トラブルが起きた際の対応など、大手レンタカー会社は業務フローを定めているところが大半です。

とくにレンタカー事業がはじめての方にとって、事業が軌道に乗る導入までの時期には大きな助けになるでしょう。

レンタカー事業でわからないことが出てきた場合も、本部に随時相談するなどしてスムーズに解決できます。

また、大手レンタカーチェーンには高い信頼性があり、一般的な認知度も高いため、顧客獲得の効果が期待できます。

個人事業主や法人としてレンタカー事業を営む場合、広告を打つなどして自分で顧客獲得努力をしなければなりません。

レンタカー事業は車両ごとの回転率を上げることで利益を得る仕組みのため、顧客獲得は事業成功の重要なファクターです。

フランチャイズに加盟することで、本部の知名度を利用し、一定の顧客を見込むことができます。

フランチャイズに加盟するデメリット

フランチャイズに加盟するには本部に加盟料を支払う必要があり、相場として50万円ほどの経費が発生します。

そのため、フランチャイズに加盟してレンタカー事業をスタートさせる場合は、十分な開業資金を確保する必要があります。

また、フランチャイズに加盟すると、事業運営において本部のアドバイスが得られる一方、本部の意向も配慮する必要があります。

そのため、事業運営の独自性を出しづらく、事業のアイディアを持っている人はやりづらさを感じることになるでしょう。

しかし、レンタカー事業は収益性も重要ですが、利用者の安全や個人情報の保護など、コンプライアンス面も意識することが大切です。

事業の独自性は出しづらくなるものの、フランチャイズに加盟することで業務フローを踏襲でき、法制度や安全管理を守る体制を構築できます。

フランチャイズで
レンタカー経営する

レンタカー事業を始めるまでのフロー

レンタカー事業を始めるまでのフロー

ここまではレンタカー事業の特徴と将来性や、個人で経営するか法人で経営するか、フランチャイズに加盟するか、といった点を解説してきました。

上記の点を踏まえ、レンタカー事業を実際に始めるまでにやるべきことをフロー化してご紹介します。

レンタカー事業の導入までの流れを確認しておきましょう。

「自家用自動車有償貸渡業」の申請書を提出

まずレンタカー事業を始めるには、国土交通省に対し「自家用自動車有償貸渡業」の許可申請をする必要があります。

申請書は複数ありますが、すべて揃える必要があります。行政書士などにレンタカー許可の必要書類を依頼する場合は手数料が必要です。

申請書の提出先は、レンタカー事業を営業する地域の運輸支局の窓口です。

申請書を提出してから、一般的に1ヵ月ほどで認可がおります。

「自家用自動車有償貸渡業」申請の許可を得る

申請書類がすべて揃っており、条件を満たしていた場合は、約1ヵ月で国土交通省から許可がおります。

この際に許可証が交付されるため、必ず保管しておきましょう。

なお、レンタカー許可には有効期限が存在しないため、一度国土交通省の許可を得られた場合は、新たに更新などの手続きを行う必要はありません。

登録免許税90,000円を金融機関に納付する

レンタカー許可を国土交通省から得た後は、登録免許税を金融機関などに納付します。

登録免許税の金額は90,000円です。

この金額は全国一律に設定されており、事業を行う地域によって優劣は存在しません。

運輸支局に車両を持ち込みレンタカーの登録を行う

国土交通省からレンタカー許可がおり、登録免許税を金融機関に納付したあとは、営業車両の登録を行います。

営業車両を登録する場所は、レンタカー事業の申請をした運輸支局と同じ場所です。

営業車両の登録の際に「わ」ナンバーの取り付けを行うため、運輸支局に車両を持ち込む必要があります。

車両の登録に必要な書類は2点あります。

まずはレンタカー許可がおりた際に発行された「事業用自動車等連絡書」です。これはレンタカー(「わ」ナンバー)や、事業用の自動車(緑や黒のナンバー)の登録手続きのための書類です。

また、営業車両の車検証も必要になります。営業車両の登録の際に運輸支局で車検証を書き換えるためです。

車両登録に必要なものを確認しておきましょう。

業務開始

これらの手続きを完了してはじめてレンタカー事業を開始できます。

レンタカー事業を始めるまでの時間は、余裕を持って2ヵ月ほどとりましょう。

まず「自家用自動車有償貸渡業」を運輸支局に申請し、許可がおりるまでに30日から40日ほどの時間がかかります。

レンタカー許可の申請書類や、レンタカーの車両登録の手間などを考えると、そこからさらに1ヵ月ほど時間がかかります。

レンタカー事業を始める際は準備期間を十分にとっておくことが大切です。

申請までに必要な書類と満たすべき条件

レンタカー事業の申請までに必要な書類

国土交通省にレンタカー許可申請を行う場合、以下の6点の書類が必要です。

  • 自家用自動車有償貸渡許可申請書
  • 貸渡料金及び貸渡約款を記載した書類
  • 登記事項証明書(個人にあっては住民票、新法人にあっては発起人名簿)
  • 宣誓書(欠格事項)
  • 事務所別車種別配置車両数一覧表
  • 貸渡の実施計画

ここではレンタカー許可申請の要件をはじめとして、これら6点の書類のうち、とくに注意すべきものについて解説します。

レンタカー事業の申請要件

レンタカー事業の申請要件は3点
レンタカー事業を運輸支局に申請するために必要な要件は、大きく3つに分けられます。

まずは申請者が法定の欠格事由に当たらないことです。過去に実刑判決を受けていたり、自動車運送事業で許可を取り消されたりした場合、申請が許可されません。

欠格事由に該当しないことは「誓約書」のなかに記します。

2点目として、自動車運送事業によりなんらかの処分を受けたことがある場合は、処分から2年が経過している必要があります。

最後に自家用自動車有償貸渡業であれば、営業車両に規定の任意保険をかける必要があります。

最低限、対人には1人あたり8,000万円以上、対物には1件あたり200万円以上、また搭乗者に対し1人あたり500万円以上の損害保険が必要です。

レンタカー事業の保険関連に必要な書類

まず営業車両向けの任意保険に加入するには、それぞれの保険会社の求めに応じ必要書類を提出します。

レンタカー許可申請で保険の加入状況がチェックされるのは、「貸渡の実施計画」においてです。

この書類に損害保険の加入状況や、今後の加入計画を記載する必要があり、審査ではチェックされるポイントとなります。

事業のあり方を説明するための記録書類等

レンタカー事業を運営する上で、事業が滞りなく行われていることを証明するため、記録書類を作成する必要があります。

そうした書類のうち、レンタカー事業の許可申請の際に提出が求められるものもあります。

代表的なものが「事務所別車種別配置車両数一覧表」です。

これはレンタカー事業として使用する車両の一覧表であり、毎年5月31日を期日として提出する必要があります。

また、「貸渡料金及び貸渡約款を記載した書類」において、事業運営のレンタカーの料金や、レンタカーを貸し出す際のルールのような貸渡約款を定める必要があります。

とくに貸渡約款は事業の円滑な運営や、顧客の安全管理、個人情報の保護のための重要な砦となるため、慎重に作成する必要があります。

まとめ

今回は、レンタカー事業の始め方について解説しました。

レンタカー事業の許可を得る際、後に個人で事業を行うか法人で事業を行うかの運営方法を変更できないため、慎重に考える必要があります。

法人の方が顧客を獲得しやすく、銀行からの融資も受けやすい一方で、個人の場合は開業までのハードルが低いというメリットがあります。

また、大手レンタカー会社のフランチャイズに加盟するという選択肢も、ノウハウを獲得するという点で有効です。

レンタカー事業の申請には必要書類が多く、申請のための条件も存在するため、申請にあたっては入念な準備が必要です。

とくにレンタカー事業をこれから始める方は、国土交通省への申請の前に再度確認しておきましょう。

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