知っ得情報

【マジで危険】初めての雪道運転に注意する5つのポイント

雪道での運転は要注意!

初めて雪道運転にチャレンジする際は、雪道に潜む危険を知って適宜なアクションをとらないとスリップやスタックなどの怖い経験をするかもしれません。

北海道では冬季における冬型事故で亡くなった132人のうち、圧雪路や凍結路などの雪道におけるスリップ事故の割合が35人でした。死亡事故の27%がスリップ事故であるため、雪道運転を軽視することは非常に危険です。[注1]
今回は初めての雪道運転で注意するべき5つのポイントを解説します。

[注1]交通安全教育のポイント解説〜運転者の安全意識を深めるために〜|北海道環境生活部生活局くらし安全課[pdf]
http://www.pref.hokkaido.lg.jp/ks/dms/grp/03/pfuyumiti.pdf

1. 残溝の深さが50%以上残っているスタッドレスタイヤを装着

スタッドレスタイヤの構造

スタッドレスタイヤ(冬用タイヤ)は雪道走行におけるタイヤのスリップ・スタックを防ぐために欠かせません。

冬季は早朝・深夜に気温が氷点下となり降雪がなくても路面が凍結する場合があるため、冬季中は常にスタッドレスタイヤを装着して運転しているドライバーも多いのではないでしょうか。

ただし、劣化したスタッドレスタイヤは本来の制動性能が失われて積雪路・凍結路を安全に走行できないため、残溝の深さが50%を下回っているものを装着しての雪道運転は避けましょう。

一般的なオールシーズンタイヤの交換目安は残溝1.6mmを下回ったタイミングです。
スタッドレスタイヤの場合、摩耗で残溝が新品購入時の50%を下回りプラットフォームが露出したタイミングが使用限度とされています。

また、同車種・同条件でスタッドレスタイヤと夏用タイヤをそれぞれ装着した際、夏用タイヤの制動距離はスタッドレスタイヤと比べて積雪路で1.6倍、凍結路は1.56倍長くなります。[注2]

タイヤの溝が減って制動力が落ちる(制動距離が長くなる)と事故のリスクが高まるため、雪道を安全に運転するためには残溝が十分に残っているスタッドレスタイヤを装着しなくてはいけません。

一般的にタイヤの溝は走行距離が長くなるほど摩耗するため、ノーマルタイヤからスタッドレスタイヤに替えて雪道運転する際は残溝の深さに注意しましょう。

また地域によってはスタッドレスタイヤやチェーンの装着といった滑り止め対策を講じずに雪道走行すると道交法違反となり、反則金が課せられてしまう場合があります。

[注2]冬の安全ドライブ事前注意報|一般社団法人日本自動車タイヤ協会[pdf]
http://www.jatma.or.jp/tyre_psd/othernews01.pdf

スタッドレスタイヤは駆動輪に限らず全車輪に装着

スタッドレスタイヤは駆動輪など一部車輪にのみ装着して走行すると挙動が安定しないため、装着する際は全車輪セットで装着して運転しましょう。

全車輪で装着した際に十分な防滑性が得られる設計になっているため、統一されていないとグリップに差が生じてカーブ進入時に横滑りなどを起こす危険があります。

また、ノーマルタイヤよりもハイドロプレーニング現象が発生しやすいため、雪解け水で冠水した路面を運転する際は注意しましょう。

駆動輪のみスタッドレスタイヤを装着した状態での走行は危険な誤用であり、本来の防滑性が発揮されずコントロールを失いかねません。

実際に駆動輪(FR)のみスタッドレスタイヤを装着して雪道を時速約50kmで走行していた車両が対向車とすれ違う際に左へ寄せたところ横滑りし、ガードパイプに衝突・横転して対向車と衝突した事故事例があります。

この事故では1名が重傷、3名が軽傷を負ったとされており、コントロールを失った車両は前輪がサマータイヤのままでした。[注3]

[注3]スタッドレスタイヤは4輪全てに装着して下さい!!|国土交通省自動車局審査・リコール課[pdf]
http://www.jta.or.jp/info/snow_tire201502.pdf

2. 滑りやすい箇所やアイスバーンが発生しやすい箇所では急操作しない

気を付けたいアイスバーン

タイヤがスリップ(空転)すると再びグリップが回復するまで操作不能になってしまうため、降雪時は馴れた道を運転する場合でも油断してはいけません。

交差点やカーブなどの滑りやすい箇所およびアイスバーンが発生しやすい箇所を走行する際は、急制動や急ハンドルといった操作をとくに控えましょう。

雪道を走行する際は、それぞれ危険な箇所を知って適宜な運転を行う必要があります。
例えば、停車・発車が繰り返される交差点付近は路面に積もった雪が車の往来によって溶解・圧雪され、鏡のように凍結して滑りやすくなるミラーアイスバーンが発生しやすい危険な箇所です。

走行中にスリップした際は焦ってアクセルやハンドルを操作して体勢を戻そうとせず、タイヤのグリップが回復し操作可能になるまでハンドルを戻した状態で構えて待ちましょう。

新潟県警察の発表によると、2017年度は同県の降雪期におけるスリップ事故全体のうち42.1%が交差点および交差点付近で発生しました。

さらに同発表ではカーブ進行中の急操作が原因で車がスリップして対向車と正面衝突する事故を冬季特有の事例として挙げており、雪道運転に馴れている降雪地帯のドライバーに対しても注意喚起が行われています。[注4]

[注4]冬道の安全走行|新潟県警察本部交通部交通企画課[pdf]
https://www.police.pref.niigata.jp/koutu-anzen/z-jikobousshi/orange-frame/fuyumiti/pdf/fuyumiti.pdf

滑りにくそうでも実際は滑りやすいブラックアイスバーンに注意

黒いアスファルト舗装が露わになっている路面は一見滑りにくそうですが、実際は滑りやすいブラックアイスバーンかもしれません。

ブラックアイスバーンとはアスファルト舗装の表面に薄い氷が張って凍結している路面を指し、すでに氷が溶けて濡れているだけに見えるため油断してスリップしてしまうケースが後を絶ちません。

路面に明らかな積雪があれば滑りやすく危険な状態であると判断でき、進入する前に減速するなどの対策ができます。

一方で黒い路面が見えている箇所は凍結しておらず滑りにくいと誤認するドライバーが多く、加速や車線変更などを行ってスリップ事故に至るケースもあります。

ブラックアイスバーンは溶解した雪が再凍結する夕方から朝方の時間帯で、陰地や橋上などの箇所で発生しやすいとされています。[注5][注6]

ブラックアイスバーンは十分な残溝があるスタッドレスタイヤを装着した状態でも止まれないことがあるため、黒い路面が見えた際は減速して急操作を控えましょう。

雪道運転において大きな事故を回避するためには、スピードを出し過ぎず十分な車間距離を確保して走行するなどの基本的な安全運転を怠ってはいけません。

また、日没以降は視認性が低下して路面のコンディションが把握しづらくなるため、いっそう注意して運転しましょう。

[注5]冬道の安全走行|新潟県警察本部交通部交通企画課[pdf]
https://www.police.pref.niigata.jp/koutu-anzen/z-jikobousshi/orange-frame/fuyumiti/pdf/fuyumiti.pdf

[注6]事故事例ニュース第254号|四国交通共済協同組合安全対策部[pdfダウンロード]

http://yonkokyo.or.jp/publics/download/?file=/files/content_type/type019/56/201602041150085537.pdf

3. ホワイトアウト現象が起きた際はハザードを点けて少しずつ減速

ハザードランプで相手に注意喚起

雪道を走行中に吹雪や地吹雪などで視界が著しく悪化するホワイトアウト現象(視程障害)が起きた際は、ハザードランプを点けて少しずつ減速し、徐行するか視界が戻るまで安全な箇所に一時停車しましょう。

急制動はスリップに加えて後方車両から追突される危険があるため、急ブレーキを踏んではいけません。

また前方車両が視える軽度な状態であれば、一定の車間距離を維持しつつ追走して早急に吹雪や地吹雪から抜けきるという判断も選択肢のひとつです。

ホワイトアウト現象が起きると数メートル先も見えなくなり路面や前方車両の有無も判断できない危険な状態に陥るケースがあるため、前提として吹雪や地吹雪が起きている際は事故を防ぐために車の運転を控えるべきです。

さらにホワイトアウト現象は吹雪や地吹雪に限らず、前方・対向車線を走行する大型車が巻き上げる雪煙によっても引き起こされます。

雪煙は路面に柔らかい新雪が積もっていると舞いやすくなるため、大型車とすれ違う際や追い越される場合はワイパーを作動させつつ減速して雪煙に備えましょう。

吹雪や地吹雪によるホワイトアウト現象は、路側にドライバーの目線を超える高さの雪堤がある場合や、秒速8m以上の風が吹いている環境で起こりやすいとされています。

周囲に建物や樹木といった遮蔽物がない平地では風で雪煙が舞いやすいため、田畑や牧草地などに面する道路を走行する際はホワイトアウト現象に注意しましょう。

急峻なスポットや峠区間においては、短い区間で視界が急変してホワイトアウト現象が起きるケースも少なくありません。[注7]

[注7]冬道運転ガイド吹雪ドライブのコツ|独立行政法人土木研究所[pdf]
http://www2.ceri.go.jp/jpn/pdf2/panf-201012-guide.pdf

吹雪のなか長時間停車すると積雪でマフラーが塞がれる危険

除雪時は一酸化炭素中毒

吹雪や地吹雪によるホワイトアウト現象が治まるまで路側などに停車して待つ際は、マフラーの周囲を定期的に除雪して積雪で排気口が塞がれないように注意しましょう。

マフラーが積雪に覆われて排気口が塞がれてしまうと、車内に排気ガスが充満して一酸化炭素中毒になってしまう恐れがあります。

排気ガスに含まれる一酸化炭素は無色かつ無臭であるため、気づかないうちに外気から車内へ侵入・充満して健康被害を引き起こすケースも少なくありません。

吹雪や地吹雪が継続的に発生している環境では、通常の降雪時よりも短時間で大量に積雪して身動きがとれなくなるケースも少なくありません。

JAFが行ったユーザーテストによると、ボンネットを上回る積雪でエンジンを点けたまま外気導入のエアコンを作動させた場合、車体下部に溜まった排気ガスが車内に吸引され短時間で健康に有害な空間環境になったと示されています。[注8]

周辺に助けを呼べる見込みがない雪道で吹雪や地吹雪に見舞われ立ち往生してしまった場合、速やかに道路緊急ダイヤルやJAFなど連絡して救援を請いましょう。

救援を待つ間は定期的にドアが開くか確認しつつ、可能であればマフラー周囲の除雪を行います。大量の積雪に見舞われて除雪が困難になってしまった際は一酸化炭素中毒を防ぐためにエンジンを切り、定期的に窓を開けて換気しつつ毛布などで暖を取りながら救援が訪れるまで待機しましょう。

[注8]クルマ何でも質問箱|一般社団法人日本自動車連盟
http://qa.jaf.or.jp/trouble/prevent/14.htm

4. ガソリンは満タンにして冬装備を整えてから雪道運転に出発

トラブルを予測して冬装備

雪道を運転する際はガソリンを満タンに給油し、毛布やブースターケーブルといった冬装備を整えてから出発しましょう。
東北は毎年一定の降雪を観測する一方で、都内や一部地域では滅多に降雪がなく、雪道運転の経験・技量はドライバーによって異なります。

そのため、多様な地域のドライバーが利用する大きな幹線道路では降雪があると事故や通行止めなどによる渋滞が発生しやすくなり、目的地へ着くまでに膨大な時間がかかることも考えられます。

ガソリン残量が目的地までギリギリの場合、降雪による渋滞に巻き込まれてガス欠となってしまう危険性があります。ガス欠になるとエアコンを点けられなくなるため、降雪のある厳寒なシーズンは余裕をもって小まめに給油しましょう。

また、冬季でも降雪がほとんどない地域のガソリンスタンドで販売されている一般的な軽油は、気温マイナス10℃以下で凍結するケースがあるため、軽油を使うディーゼル車で雪道を走行するのであれば、JIS規格3号または特3号の不凍性な軽油を給油しましょう。[注9]

雪道運転では平時よりもトラブルが起きやすくなるため、希望的観測を避けて冬装備を整えなくてはいけません。

スタックに備えて牽引ロープを準備することはもちろん、エンジンを切った車内で長時間留まる際は毛布やタオルなどの暖をとれるアイテムが必要です。屋根の積雪およびマフラー回りの雪を除雪するために、スノースコップ・長靴・手袋なども準備しておきましょう。

また、ブースターケーブルを積載しておくことで、バッテリーが上がって動けなくなってしまった際でも他の車から電気を供給してエンジンを始動できます。

[注9]冬装備を万全に最新の注意で安全運転|NEXCO東日本[pdf]
https://www.e-nexco.co.jp/road_info/important_info/h24/0524/pdfs/s08.pdf

交通量の少ない雪道でスタックした際はスコップなどをかませて発進

交通量が少ない雪道でスタックしてしまい他の車に牽引してもらう脱出方法が見込めない場合は、スコップやタオルなどを駆動輪と路面の間にかませて発進します。

勢いよくアクセルを踏むと、かませた物が後方へ吹き飛ぶことがあるので慎重に発進させましょう。同乗者がいる場合は車外から押してもらいながらアクセルを踏んで脱出を試みることも可能です。

一部の降雪地域では、路側に滑り止め剤(砕石)が入ったボックスが備えられており、自由に使える滑り止め剤でタイヤのグリップを高めて脱出する手段もあります。

自力で脱出が困難なケースは道路緊急ダイヤルやJAFなどに救援を依頼しましょう。
また、大きな国道では塩分を含む凍結防止剤が撒かれているケースがあるため、雪道運転後はタイヤ周りや車体底部を重点的に洗車することで劣化を防げます。

5. 雪道でも安心して運転できる車種を選ぶ

雪道運転にオススメの車種3つ

駆動方式や車重などは車種によって異なるため、初めて雪道運転に挑戦するドライバーは雪道の走行に相応しい仕様の車種を選びましょう。

スリップやスタックしづらく、雪道でも安心して運転できる車の条件は次のとおりです。

  • 駆動方式が4WD(四駆)
  • 最低地上高が高い
  • 車重が重すぎない

上述の雪道でも安心して運転できる条件を満たす車は、軽SUV・コンパクトSUV・クロスオーバーのいずれかに分類される車種です。

SUVの代表的な車種であるクロスカントリーは、オフロードにおける走破性が高く、屈強なフレームを備えているので未舗装の雪道を走行するシーンでは選択の余地があります。

しかし車重が重いため、制動をかけると慣性の力によって停止距離が長くなり、コーナリングでは外側に膨れやすくなるため舗装されている雪道を運転する際は注意しましょう。

氷が張っている凍結路を走行する場合は、氷面にゴムが広く張り付いて高いグリップが得られる太いタイヤが向いています。
一方で凍結していない雪道を走行する場合、車重が曲部的に集中してゴムの接地圧力がかかりやすい細いタイヤが最適です。

まとめ

雪道運転は乾燥路面と異なり些細なハンドリング操作でスピンしてしまうケースや、予想以上に止まりづらく追突寸前といった怖い思いをすることもあります。

雪道運転に初めてチャレンジする際は、事故や怪我を防ぐために「かもしれない運転」を心がけましょう。

「黒い路面が見えているけどブラックアイスバーンかもしれない」「目的地までのガソリン残量が足りないかもしれない」と、雪道運転における注意点を知って適宜なアクションをとることで、事故や怪我のリスクヘッジを試みることが可能です。